国語を得意に! 〈日比谷・西・戸山・青山・国立・立川・八王子東〉合格のために

進学指導重点校の国語で合格点をとるコツを教えます。

国語を得意にするためのトレーニング第3回「書かれていないことに気づくために」①

苦手な国語を克服するためのトレーニング第3回を始めますね。

 

今回は、「書かれていないことに気づくために」と題して進めます。

 

では、早速問題です。

 

問1 「雨がやんだ」という文から、さすがにこれだけは間違いなく言えるということを考えてください。

 

答え それまで雨が降っていた(ということ)。

 

では、次の問題です。最初の問題を踏まえて考えてください。

 

問2 「灯りがともった」という文から、わかることを教えてください。

 

答え それまで灯りがついていなかった(ということ)。

 

続けます。

 

問3 「顔を上げて言った」という文から、わかることは?

 

答え ここで何かを「言った」人はそれまでうつむいていた。

 

いかがですか?

何のために、こんなことを聞くの? と思ってしまいますよね。

でも、すべて実際に出題されたことのある文なんです。

 

問1は「頭上の雲が切れてわずかな青空がのぞく」という文が続いて、登場人物の心情が変化していくことを暗示する箇所となっています。

 

問2は登場人物の安心感を読み取る問いとして出題された箇所です。

 

問3は登場人物が強い決意のもとに相手にものを言っていることを読解する箇所として出題されました。

 

では、改めてふりかえってみましょう。

問1は「雨がやんだ」でした。そこから、それまで雨が降っていたということを把握しました。

つまり、「雨がやんだ」という一文を、それまで降っていた雨がやんだ、と理解したのです。

これによって、

・雨が降っていた。

 ↓

・雨がやんだ。

という変化が見えやすくなりましたよね。

これに情景描写は心情や内容を暗示するという知識があれば、登場人物の心情が暗いものから明るいものへと変化することを暗示する表現になっているというのも読みやすくなるのではないでしょうか。

 

次に問2です。

これも同じように考えましょう。

・灯りがついていなかった。

 ↓

・灯りがともった。

灯りがついていなかったときと比べて灯りがともれば明るくなりますよね。

問1と同様に暗いものから明るいものへの変化が暗示されるわけですが、実際の文章ではそれまで登場人物は不安でいっぱいだったので、その反対の安心感を読み取る問題となっていました。

 

問3です。

・うつむいていた。

 ↓

・顔を上げて言った。

うつむいて相手の話を聞いていた場面を想像してください。そこで、「顔を上げて言った」と続いています。それまでただ黙って聞いていた人が、相手に向かってうつむきながら言うのではなく「顔を上げて」相手をしっかり見て「言った」のです。ですから、この登場人物の強い意志を読み取ることになるのです。

 

「やんだ」「ともった」「顔を上げて」という表現に注目して、

「書かれていないことに気づく」ことの重要性をお伝えしました。

 

変化を示す言葉があったときは、それまでどうだったのかを考える。

是非、徹底してください。