国語を得意に! 〈日比谷・西・戸山・青山・国立・立川・八王子東〉合格のために

進学指導重点校の国語で合格点をとるコツを教えます。

都立進学指導重点校に合格するための漢字学習法

今年の西高校の漢字書き取りは4問が出題されました。

幕営」「水菓子」「窓下」「人後」です。

正答率は左から12%、96%、5%、20%です。

「水菓子」を除く3問のうち2問とることができれば、4点のリードを得ることになるのです。

これは非常に大きいです。

 

しかも、漢字の勉強は語彙を増やすことになるので、結果として読解力を引き上げることにもなります。

漢字の勉強は、漢字の点数を稼ぐためだけでなく、読解の点数をあげることにもつながるたいへん効果のあるものなのです。

そのことを強く意識して是非漢字の勉強をがんばっていきましょう。

 

それでは、都立進学指導重点校に合格するための漢字学習法をお伝えします。

 

そのために、まずはどういう問題が出るのかを確認しましょう。

実は、都立進学指導重点校の書き取り問題には共通点があるのです。

2023年度の日比谷、国立、戸山の3校分、15問をあげます。

実際に手を動かしながら、共通点を考えてみましょう。

 

 

次の各文の  を付けたかたかなの部分に当たる漢字を楷書で書け。

 

日比谷高校

(1)参拝者がリクゾクとつめかける。

(2)カンケンにとらわれず、視野を広くもつ。

(3)学問の発展にする論文。

(4)都市計画をサクテイする。

(5)提案のコッシを述べる。

 

国立高校

(1)オカモちで料理を運ぶ。

(2)シンゼンビの調和した理念。

(3)「トウカ親しむ候。」という季節の挨拶。

(4)観客のカンキョウがひきつけられる名作。

(5)ガンコウシハイに徹す。

 

戸山高校

(1)班長として班をタバねる。

(2)江戸時代からレンメンと受け継がれている技術。

(3)サンセキした仕事を一つずつ処理する。

(4)この企画の成功は今後を占うシキンセキだ。

(5)自然に囲まれてコウウンリュウスイの生活を送る。

 

いかがでしたか?

中3生には難しい言葉が多いですよね。

日常で使用する語彙でないのはもちろん、聞いたことがない言葉もあったはずです。

まずは、そのことを頭に留めておいてください。

 

では、答えを見てみましょう。

日比谷高校

(1)陸続

(2)管見

(3)資する

(4)策定

(5)骨子

国立高校

(1)岡持ち

(2)真善美

(3)灯火

(4)感興

(5)眼光紙背

戸山高校

(1)束ねる

(2)連綿

(3)山積

(4)試金石

(5)行雲流水

 

いかがでしょうか。

漢字自体は易しいものが多いですよね。

実際、この15問で使われている漢字の配当学年は以下の通りとなります。

すべて小学校で習う字です。

 

日比谷高校

(1)陸(小4)続(小4)

(2)管(小4)見(小1)

(3)資(小5)する

(4)策(小6)定(小3)

(5)骨(小6)子(小1)

国立高校

(1)岡(小4)持ち(小3)

(2)真(小3)善(小6)美(小3)

(3)灯(小4)火(小1)

(4)感(小3)興(小5)

(5)眼(小5)光(小2)紙(小2)背(小6)

戸山高校

(1)束(小4)ねる

(2)連(小4)綿(小5)

(3)山(小1)積(小4)

(4)試(小4)金(小1)石(小1)

(5)行(小2)雲(小2)流(小3)水(小1)

 

学年別に分けてみます。

小1  7字(見・子・火・山・金・石・水)

小2 4字(光・紙・行・雲)

小3 6字(定・持・真・美・感・流)

小4 9字(陸・続・管・岡・灯・束・連・積・試)

小5 4字(資・興・眼・綿)

小6 4字(策・骨・善・背)

計 34字

実に80%近くが小4までの漢字です。

 

それなのになぜ漢字の書き取りが難しいのでしょうか。

実は、この小学校の漢字が出題されることが難しさの第一の要因なのです。

 

受験勉強を中学に入ってから始めた生徒で、漢検の勉強をしていない場合は中学受験で出題される基本的な熟語ができないことが非常に多いのです。

たとえば、「去就」「平生」「助長」「耳目」のように中学受験であれば必ず勉強しているような熟語。

中3生なら聞いたことはあるという言葉が書けない生徒が多いのです。

今回であれば「試金石」とか「策定」です。

 

こういう生徒の対策はズバリ!

 

1)中学受験用の漢字問題集を行う。

薄いもので構わないので、1週間程度ですべて解き切る。

一ヶ月後に、間違えたものだけを再度解く。

もう一ヶ月後に、最初に間違えた問題を再度解く。

 

 

次に、第二の要因。

これもすでにふれているのですが、中3の語彙にないものが出題されることです。

「陸続」「管見」は難しいですよね。

 

これらの対策はどう立てるのか。

これには2つの対策が必要になります。

 

2)進学指導重点校の過去問は手に入るだけすべてをやる。

 その際、熟語の意味はもちろん、漢字個々の意味まで確認しておくことが重要です。

 

 例えば、「骨子」をまちがえた場合、

・「骨」(音)コツ(訓)ほね

 ①ほね。「骨格」「遺骨」

 ②からだ。「病骨」「老骨」

 ③物事の中心。かなめ。「骨子」「鉄骨」「仕事の骨を覚える」

 ④人がら。気質。「気骨」「反骨」

 このように確認しておくのです。そして、ここに書かれている8つの熟語はすべて小学校の配当漢字ですので、「仕事の骨」も含めて、書き取り問題として出題される可能性があると認識しておきます。

 

 実は平成31年度の国立で「骨法」が出題されていますので、この直しを上の通り行っていれば「骨子」の正答率は高くなるはずです。

 

「眼光紙背に徹す」は西のR2年度出題されています。

「試金石」も青山のH23年度に出題されています。

「感興」の「興」を「キョウ」と読ませる問題は多く出題されています。

 

3)大学受験用の漢字問題集を行う。

桐原書店の『上級入試漢字』という問題集には、上記15問のうち、

「陸続」「管見」「策定」「骨子」「感興」「連綿」「山積」の7問が出題されています。

 

大半が中学校で習う字を使った熟語になりますが、私立高校に出題される可能性は高いですし、語彙を増やすことにもつながりますので、強くお勧めします。

 

 

 

これまでの3つの対策に三字熟語と四字熟語を加えればほとんどが網羅されるはずです。

 

4)三字熟語・四字熟語の勉強はしっかりと行う。

 

最後に、あと2つ注意事項を書いておきます。

 

①塾・学校の漢字テストの勉強はしっかりとやる。

②小学校の範囲から出題されるのですから、それが使われている言葉で自分が書けないものをカード化しておく。

 例えば、「高を括る」の「高」が国立高校で出題されているんですね。普段から意識をしておくとよいでしょう。

 

選択肢問題を解く二つのコツ。

前回のブログで国語の成績は上がるのだということをお知らせしました。

では、実際にどう考えれば答えを導けるのかを示していきます。

 

今回は選択肢問題のコツを丁寧に解説しました。

 

2020年度日比谷高校の入試問題をご覧ください。

日比谷高校のホームページに問題は出ているのでそちらでご確認ください。

 

3番の小説の問1を使って選択肢問題の正解を出すコツをお伝えします。

 

まず、最も重要なことをお伝えします。

 

根拠をとってから選択肢を見る。

 

国語の成績を上げるために最も重要なことです。

傍線の段階で根拠がわからない場合は、半ページは読み進めてください。

それでもわからない場合は、選択肢を見て今まで通りなんとなく答えてください。

では、実際に見ていきましょう。

 

問1

(A)から(B)までの朋樹の心情の変化を問われています。

 

この問題を解く上でまず重要なのは、最初に文章を読んでいる段階でこの(A)って何だろう? と疑問を持つことです。

設問の合図になっているはずなので、問われていることを確認してしまうことです。

そして、読みながら心情の変化を意識するようにします。

 

それでは、根拠となる表現を押さえていきましょう。

 

1)「照らし出された光景に、朋樹は息をのんだ」

ここで「照らし出された光景」の内容を把握しましょう。

情報として不十分な箇所をつかんでいくようにします。

 

「朋樹は中に一歩踏み入れた」に立ち止まれる人は素晴らしいです。

最初は膨大な数に圧倒されていただけだったが、いよいよ中身を見ようとしているのです。

 

2)「『一九四九年て……』朋樹は思わず声に出した」

直前にある「つまり、同じアンモナイトを〜」の文から流れで出ている言葉だということはわかりますね。

 

3)「いったいいくつあるのだろう。朋樹は静かに息をついた」

 

1)膨大な数の棚があることに圧倒された。

2)同じアンモナイトをいろんな場所でいろんな人が何十年も集めつづけていることに感嘆した。

3)ここにあるアンモナイトの数の多さに心底驚いている。

 

この1)〜3)への流れを根拠にして、選択肢にいきます。

 

ア それまでは戸川の博物館に対する思いがよく理解できなかったが、多くの学者が何十年にもわたって集め続けてきた大量のアンモナイトの化石を見て圧倒されている。

 

という最初の選択肢を読んだ段階で、気づかなければならないことがあります。

この設問は、(A)から(B)までの朋樹の心情の変化を問われているのではなく、

(A)の前までと(A)から(B)の朋樹の心情の変化だったと。

 

そこで、このアンモナイトを見る前の確認をします。

すると、「『なんでそんなに、ここが……。』この古くて面白みのない博物館が、大切なのか。」という表現があります。

すなわち、博物館を大切に思う戸川の気持ちがわからなかったことがわかります。

 

この内容から、先ほどの1)〜3)への変化と考えればよいのです。

 

では、選択肢を選ぶ際にやってはいけないことをお伝えします。

選択肢に合わせて根拠を解釈しない。

根拠が書かれている選択肢を素直に選ぶ。

 

読解力がないわけではないのに、点数が伸びない人は例外なく解釈をしています。

こう読んだらこれも正解だ! これをやるから点を落としてしまうんです。

 

それでは、答えはどれになるのでしょうか。

 

・博物館を大切に思う戸川の気持ちがわからなかった。

・いろんな場所でいろんな人が何十年も集めつづけてきた膨大な数のアンモナイトを前にして心底驚いている。

この内容を素直に選びます。

 

よって正解はアになります。

 

ウとエのどこが違うかを根拠を見比べてみましょう。

ウは、戸川の気持ちがわからないということが書かれていません。

エでは、最後に書かれている「いったいいくつあるのだろう」というアンモナイトの化石の多さに圧倒されている部分が読み取れません。

 

根拠をとってから答えを出すという流れで説明しました。

もし、この順番を変えて解いていたらどうなるでしょうか?

 

例えばウ。「それまでは博物館なんて古臭くて面白みがない場所だと思っていた」は本文に書いてある。「驚くほど大量のアンモナイト」これも間違いない。だから、「博物館の魅力を感じはじめている」と考えることはできるはず。よし、ウが正解だ。

こんなふうになってしまうのです。最後に見事に解釈が入っていますね。もちろん、最初の部分は根拠とずれているのですが、ウが書いてあるかを調べてしまうと書いてあることになってしまうんです。

 

エも同様です。「戸川が博物館を大切に思う理由が分からなかった」は書いてありますし、正しいです。「実に多くの学者がアンモナイトの研究に関わっていたことを知って」も書いてあります。だから、「戸川への関心が強くなっている」と捉えることもできる。

先ほどのウと同様です。

 

もし、この問題を消去法での解説を受けたとしましょう。

「ウは、博物館が面白みがないと思っていたのではなく、そんな戸川が理解できなかったんだよね。それに、魅力を感じはじめているが言い過ぎだよね」となるでしょうか。

「エは、戸川への関心が強くなっているがおかしいですね。この段階は読みきれません」となりますかね。

こういう授業を受けていたら点数に変化が生じるはずはありませんね。

本人は自分のどこがいけなかったのかがわからないままだから。

 

 

では、最後に選択肢問題を解く二つのコツを改めて示します。

①本文に根拠をとってから答えを出す。

②根拠が書かれている選択肢を素直に選ぶ。

 

皆さんのお役に立てると幸いです。

 

 

 

 

国語の成績を上げるのは難しいと思っていませんか?

進学指導重点校の受験を考えられる生徒なのに、国語が苦手という場合は以下のパターンに分けられます。

 

1)漢字は得意だが文章題が苦手。国語のセンスがないとよく言われる。

2)漢字は苦手で文章題は波がある。語彙不足だから国語が安定しないとよく言われる。

3)漢字も苦手、文章題も苦手。国語ができるようになるとは全く思っていない。

 

1)の人は、答えを出す手順を意識するだけで正答率が劇的に変わります。数学が得意であれば、間違いなく国語も得意になります。

2)の人は、国語ができることもあるのですから間違いなく得意になります。解答への道筋を学びましょう。そして今すぐ漢字の勉強を始めましょう。

3)の人は、まず次の数字を見てください。

どちらも12月に50分×4回の指導を受けた男子生徒の冬休み中の演習結果です。

駿台の偏差値51.9(3回の平均)、V模擬の自校作成の偏差値58(2回平均)。

 進学指導重点校の過去問で受験者平均+22点と+24点を取りました。

駿台の偏差値51.8(3回の平均)、V模擬の自校作成の偏差値61(2回平均)。

 早大学院で70点を超え、進学指導重点校で受験者平均点+4点、+7点、+11点、+24点となりました。

国語の成績も短期間でできるようになるという事例です。

なんだ、そうだったのか。国語の成績は上がらないと思い込んでいただけだったんだと気づいてください。

 

では、どうすればよいのかについては、次回以降で示していきます。